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稼働率と可動率その2

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「稼働率と可動率」


可動率(べきどうりつ)とは所定時間に対して、設備が正常に動いている時間の割合のことです。

 

その計算式は次の通りです。 

 

*稼働時間:設備が生産活動を行っていた時間

*所定時間:始業から就業までの時間。

 

所定時間【8時00分始業-17時00分終業】の現場をみていきましょう。

 

多くの現場では所定時間に対して、設備の稼働(生産活動をしている)時間は短くなります。

つまり所定時間に対し、稼働時間は短くなり100%を下回ります。

 

何故か?設備は所定時間の間、ずっと動いているわけではないからです。

メンテや休憩時間、段取りがえ、故障、などいろいろな理由で設備は停止します。

つまり稼働時間とは、所定時間から停止時間を引いたものになります。

 

所定時間に対して動いていない時間がある。

それはムダそのものである。

可動率100%で動かしたい。

改善だ!!

 

分かります。 

だけどちょっと待ってください。

 

その改善、本当に効果がありますか?!


設備の可動率を改善、向上させるためには「何故設備が止まっているのか」を

正しく把握し分類する必要があります。

 

例えば自動ねじ締め工程を考えてみましょう。

この工程ではねじをパーツフィーダーを使って自動供給しています。

パーツフィーダーでよくあるチョコ停に「詰まり」があります。

そこでチョコ停対策として、詰まりを検知して衝撃を加える機構を追加しました。

これで詰まりの発生頻度が限りなくゼロになりました。

 

でもちょっと待ってください。

①チョコ停の発生頻度がもともと1日8時間のうち1回程度。3分以内に発見復旧できていた。

②一方、品種替えによる段取り替えが1日8時間のうち5~8回、1回10分程度発生している。

としたらどうでしょうか。

 

チョコ停は設備自身の責任ですから設備を改善する必要があります。

一方、段取り替えは設備そのものを改造しても何の効果もありません。

品種削減や段取り替えの簡素化など、別要因での対策が必要になります。

つまり停止理由を正しく把握し分類したうえで適切な対策を施す必要があります。

 


停止理由を分類します。

 

理由1.自責停止:設備そのものの責任で停止

 ①点検・メンテナンス

 ②チョコ停(詰まる、外れる、ゆるむ、ずれる、ひっかかるなど軽微な停止)

 ③ドカ停(曲がる、折れる、割れる、欠ける、腐るなど完全な故障による停止)

 

理由2.他責停止1:工程の責任で停止

 ①段取り

 ②段取り替え

 ③待機(前工程の作業待ちなど)

 

理由3.他責停止2:工場、会社の責任で停止

 ①休憩時間

 ②計画停止

 

理由4.完全他責

 ①地震、火災などの災害

 

理由1の解消には設備そのものを改善する必要があります。

理由2の解消には段取り作業の改善や、工程全体のボトルネック改善の必要があります。

理由3の解消には自動化により休憩時間も動かすような改善の必要があります。

理由4の解消には災害を想定してリスクアセスメントを行い、備える必要があります。

 


さて、稼働率は次式で計算されました。

そして、可動率の計算式は次の通りでした。

 

稼働率を書いたブログの最後に、

計算上は20分の残業しか発生しないのに実際には1時間残業が発生していることがある

と書きました。

 

そのからくりはこうです。

1日4,800台作れるラインである日5,000台作りました。

単純計算では所定時間8時間に対し、8時間20分で5,000台作れるはずです。

 

しかし、設備が何かしらの理由で停止していたらどうでしょうか?

例えば、始業点検で10分、設備トラブルで20分、段取り替えで10分といった具合です。

トータル40分停止となるので、8時間20分に40分加算されて計9時間の稼働時間が

必要になります。

 

これはあくまで生産能力をサイクルタイムから割り出すことを前提としています。

つまり生産能力に停止時間を考慮しないやり方です。

 

生産能力にある程度の停止時間を考慮することも可能ですがお勧めできません。

例えば前提として休憩時間を考慮してしまうと、

休憩時間は設備も停止させることが当たり前になってしまうからです。

 

自動化してしまえば人が休憩している間にも生産活動を行えるにもかかわらず。

もったいないことです。