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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R2 Ⅲ-28

令和2年

Ⅲ-28

向流型熱交換器において、高温側流体の入り口温度と出口温度がそれぞれ100℃、75℃、低温側流体の入り口温度と出口温度がそれぞれ15℃、55℃となっている。このとき、高温側流体と低温側流体の対数平均温度差として、最も近い値はどれか。ただし、必要に応じて、log2=0.693log3=1.10log5=1.61logは自然対数を表す)を用いよ。

 

 

① 52K  ② 45K  ③ 40K  ④ 33K  ⑤ 029K

 

 

解答

 

 

解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

 

28.1に示すように熱交換機には並流型と向流型があります。

図28.1
図28.1

温度Thの高温流体が内側の(コイル状に巻かれた)配管内を通り、その外側を覆う配管を温度Tcの低温流体が流れることで熱交換します。

高温流体と低温流体の流れが同一のものを並流型、反対向きのものを向流型と言います。それぞれの熱交換量は図28.1に示す通りです。

 

*熱交換の問題は出題率はあまり高くないのですが、関係式を覚えておけば割と簡単に解ける問題が多いです。本問題も対数平均温度差の式を覚えておけば、値を代入して計算するだけです。

 


では問題を解いていきます。

 

対数平均温度差ΔTmは次式です。

ΔTm=(ΔT1-ΔT2)/(lnΔT1/ΔT2)

 

向流型の場合、ΔT1、ΔT2は次の通りです。

ΔT1=ΔTh1-ΔTc2=100-55=45

ΔT2=ΔTh2-ΔTc1=75-15=60

 

ΔTm=(45-60)/(lnΔ45/Δ60)=-15/(ln3/4)

 

ΔTm=-15/(ln3-ln22)=-15/(ln3-2ln2)=-15/(1.10-2×0.693)52.4  //