令和3年
Ⅲ-20
図に示すように、質量mのおもり、ばね定数kの2つのばね、及び減衰係数cの1つのダンパからなる1自由度振動系を考えるこの系が臨界減衰系となるとき、ダンパの減衰係数cとして、適切なものはどれか。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sf4944586e5afa2de/image/ic36ab39dbf330106/version/1640394310/image.jpg)
解答
⑤
[解くために必要な知識]
◆合成ばね定数の算出
ばねの結合には3パターン、並列と直列と挟み込みがあります。それぞれにおける合成ばね定数Kは図20.1に示す通りです。
並列 K=k1+k2
直列 K=k1k2/(k1+k2)
挟み込み K=k1+k2
![図20.1 合成ばねの3パターン](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=664x10000:format=jpg/path/sf4944586e5afa2de/image/i2b65241f1302ac82/version/1640394390/image.jpg)
◆臨界減衰係数
図20.2に示すように質量m、ばね定数k、減衰係数cで構成される系の運動方程式は次の通りです。
md2x/dt2+cdx/dt+kx=0
この系の臨界減衰係数ccrは次の通りです。
ccr=2√(mk)
![図20.2 減衰のある1自由度系の自由振動](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=664x10000:format=jpg/path/sf4944586e5afa2de/image/i1e17a10e66dca028/version/1640394620/image.jpg)
系を構成するダンパの減衰係数cの値がこのccrより大きいとき過減衰振動となり、系は振動しません。ccrより小さいとき不足減衰振動となり、系は振動します。
では問題を解いていきます。
問題の図より、ばねは並列結合のためその合成ばね定数Kは次の通りです。
K=2k
この系の運動方程式は次の通りになります。
md2x/dt2+cdx/dt+2kx=0
この系の臨界減衰係数ccrは次の通りです。
ccr=2√(m2k)=2√(2mk) //
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