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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R3 Ⅲ-20

令和3年

Ⅲ-20

図に示すように、質量mのおもり、ばね定数k2つのばね、及び減衰係数c1つのダンパからなる1自由度振動系を考えるこの系が臨界減衰系となるとき、ダンパの減衰係数cとして、適切なものはどれか。

 

 

 

解答

 

[解くために必要な知識]

◆合成ばね定数の算出

ばねの結合には3パターン、並列と直列と挟み込みがあります。それぞれにおける合成ばね定数Kは図20.1に示す通りです。

 並列   K=k1+k2

 直列   K=k1k2/(k1+k2)

 

 挟み込み K=k1+k2

図20.1 合成ばねの3パターン
図20.1 合成ばねの3パターン

◆臨界減衰係数

20.2に示すように質量m、ばね定数k、減衰係数cで構成される系の運動方程式は次の通りです。

 

 md2x/dt2+cdx/dt+kx=0

 

この系の臨界減衰係数ccrは次の通りです。

  

 ccr=2(mk)

 

図20.2 減衰のある1自由度系の自由振動
図20.2 減衰のある1自由度系の自由振動

系を構成するダンパの減衰係数cの値がこのccrより大きいとき過減衰振動となり、系は振動しません。ccrより小さいとき不足減衰振動となり、系は振動します。

 

 

 

では問題を解いていきます。

問題の図より、ばねは並列結合のためその合成ばね定数Kは次の通りです。

 

 K=2k

 

この系の運動方程式は次の通りになります。

 

 md2x/dt2+cdx/dt+2kx=0

 

この系の臨界減衰係数ccrは次の通りです。

 

 ccr=2(m2k)=2(2mk) //