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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R3 Ⅲ-22

令和3年

Ⅲ-22

図に示す2自由度振動系には、2つの固有角振動数が存在する。その組み合わせとして、適切なものはどれか。なお、kはばね定数、mは質量を表す。

 

 

 

解答

 

[解くために必要な知識]

平成30年に全く同じ問題が出ています。Ⅲ-18

 

22.1に示すように複数の質量とばねで構成される多自由度系における各質点の運動方程式は次の通りです。

 

m1d2x1/dt2+(k1+k2)x1-k2x2=f1 、m2d2x2/dt2-k2x1+(k2+k3)x2-k3x3=f2 ・・・

 

mn-1d2xn-1/dt2-kn-1xn-2+(kn-1+kn)xn-1-knxn=fn-1 、mnd2xn/dt2-knxn-1+(kn+kn+1)xn=fn

図22.1 多自由度系の運動方程式
図22.1 多自由度系の運動方程式

この式を行列で表したものが図22.1の通りであり、さらに2自由度系の場合も図の通りです。

 

2自由度減衰の無い自由振動の行列式は複雑ですが、覚えておくと出題されたときにはほぼ確実に問題が解けます。

 

では解いていきます。

 

2自由度減衰のない自由振動において、

m1=m2=m

 k1=k2=k3=k

となる場合、行列式は図22.2に示す通りです。

 

 

図22.2 2自由度減衰のない自由振動における運動方程式の行列
図22.2 2自由度減衰のない自由振動における運動方程式の行列

 

よって

 (2k-mωn2)2-{(-k)×(-k)}=0

 m2ωn4-4mkωn2+3k2=0

 (ωn2-k/m)(ωn2-3k/m)

 ωn2=k/m3k/m  //