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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R4 Ⅲ-18

解説:H.sin氏(機械部門)

令和4年

Ⅲ-18

下図のように,ある動摩擦係数の水平面上にばね定数kのばねを横たえ,一方の端を水平面に垂直な壁に固定し,もう一方の端に質量mの物体を取り付けた。ばねが自然長のときの物体の位置をx=0とする。物体をx軸に正の方向に21mmだけ引っ張り,静かに放したとき,質量が静止する物体の位置のx軸座標として,適切なものはどれか。ただし,m=1kg,k=0.5N/mm,固体摩擦力f=1Nとする。

解説

[解くために必要な知識]

ばねによる力は

f=kx

振動の中心は力のつり合いが0になる箇所となります。

 

では問題を解いていきます。

 

1,ばねを+21mmの点から離すと、ばねから受ける力=摩擦力となる点xは

-kx+f=0

x=-f/k=1/0.5=+2mm

21mmを開始点として、+2mmで振幅の中心にあるため停止位置は-17mmとなる。

-17mmを開始点として

x=-f/k=-1/0.5=-2mm

-17mmを開始点として、-2mmで振幅の中心にあるため、停止位置は+13mmとなる。

これを繰り返すため

-9mm、+5mm、-1mmと折り返し地点が変化する。

 

 摩擦力がばねによる力より大きい点で停止すると、物体は動き出さないことから

f≧kx

x≦f/k 1/0.5=2 ばねの伸縮が2mm以下での折り返しは-1mmとなる

 

よって回答は②となります。