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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-16

令和1年

Ⅲ-16

図のように、アームABが鉛直面(XY平面)内を角速度ωで回転しながら、同時にアームの先端部が、アームが長くなる方向に速度vで動いている。アームが水平位置にある図の瞬間において、先端の点Aの持つ速度ベクトル(vxvy)として、最も適切なものはどれか。

 

 

 

解答

 

解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

16.1にしめすように、回転運動をするアーム先端の円周方向の速度をvとしたときに、x方向、y方向それぞれの速度成分vxvyは次の通りです。

  vx=vcosθ

vy=vsinθ

 

 

図16.1 速度成分の分解
図16.1 速度成分の分解

では問題を解いていきます。

 

16.2に示すように直線運動と回転運動とに分けて考えます。水平右向きからアームの先端がなす角をθとします。直線運動の速度をv1、回転運動の円周方向の速度をv2とします。

 

 

図16.2 直線運動と回転運動
図16.2 直線運動と回転運動

 

[直線運動]θ=0

vx1v1cosθ=v1

vy1v1sinθ=0

 

[回転運動]θ=0

vx2v2sinθ=0

vy2v2cosθ=v2

 

 

 

直線運動と回転運動を合わせた速度ベクトルは次の通りです。

vx=vx1+vx2=v1+0=v1

vy=vy1+vy2=0+v2=v2

 

ここで、題意より

v1=v

v2=rω

 

よって速度ベクトルは次の通りです。

 

vxvy=vrω)  //