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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R1 Ⅲ-17

令和1年

Ⅲ-17

横振動するはりの境界条件には、自由端、固定端、単純支持端などがある。以下はそれぞれの境界条件に適合する式を示したものである。条件式(A)、(B)、(C)と、境界条件の組合せとして、最も適切なものはどれか。ただし、はりの長手方向の座標をx、横方向の変位を

u(x,t)とし、tは時間を表す。

 

A

u(x,t)=0

  ∂ω(x,t)/x=0

 

B

u(x,t)=0

  ∂2ω(x,t)/x2=0

 

C

2ω(x,t)/x2=0

  ∂3ω(x,t)/x3=0

 

① A:自由端   B:単純支持端 C:固定端

② A:自由端   B:固定端   C:単純支持端

③ A:単純支持端 B:固定端   C:自由端

④ A:固定端   B:自由端   C:単純支持端

⑤ A:固定端   B:単純支持端 C:自由端

 

 

解答

 


解説

[解くために必要な知識と周辺知識]

 はりの変位量をy(x,t)としたとき変位量、変位角、モーメント、せん断力は次の通りです。

 

変位量y    y(x,t)

変位角θ    ∂y(x,t)/x

モーメントM  ∂2y(x,t)/x2

せん断力F    ∂3y(x,t)/x3

 

 

図17.1 はりの振動と端点の性質
図17.1 はりの振動と端点の性質

17.1に示すように、

・単純支持端においては変位とモーメントがゼロになります。

・固定支持端においては変位と変位角がゼロになります。

・自由端においてはモーメントとせん断力がゼロになります。

 

*この支持端の考え方ははりの強度計算全般における基本的なものになりますので必ず覚えておきましょう。

 

では問題を解いていきます。

 

A)は変位と変位角がゼロのため固定端です。

B)は変位とモーメントがゼロのため単純支持端です。

C)はモーメントとせん断力がゼロのため自由端です。 //