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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R2 Ⅲ-31

令和2年

Ⅲ-31

図に示すように、水平な床の上に厚さ0.5mmの水膜がある。その上に重さの無視できる0.5m×0.5mの平板を浮かべ、水平方向に0.4m/sの速さで動かす。このとき、平板を動かすのに必要な動力として、最も近い値はどれか。ただし、水の粘度は1.0×10-3Pasであり、水膜内の流れは層流として、端部および付加質量の影響は無視してよい。

解答

  

解説

 

[解くために必要な知識と周辺知識]

図31.1
図31.1

31.1に示すように固定壁と可動平板との間に粘性のある流体が満たされていて、面積Aの平板を速度uで動かすとき、平板を動かすために必要な力Fは次の通りです。

 

 F=μAu/h

 

μ:粘性係数

ρ:密度

ν:動粘度

 

ν=μ/ρ

 

また、平板の単位面積当たりの摩擦力=せん断応力τは次の通りです。

τ=F/A=μdu/dy

この関係はニュートンの粘性法則と呼ばれます。

 

*以上は流体の基本になります。覚えておきましょう。

 

 

 

では問題を解いていきます。

 

平板を動かすため必要な力Fは次の通りです。

 

F=μAu/h=1.0×10-3×[(0.5×0.5)×0.4/(05.×10-3)]=0.2 N

 

動力Pは次式で求められます。

P=F×v=0.2×0.4=0.08 W  //