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技術士一次試験 専門科目 機械部門 R3 Ⅲ-15

令和3年

Ⅲ-15

機械の振動に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

1自由度系において質量を増加させると、固有振動数は小さくなる。

1自由度系に加振力が作用し共振しているとき、加振力と変位の位相は約180°ずれる。

③2自由度系の固有振動数は一般に2個ある。

④共振しているときの振幅の大きさは減衰係数に依存する。

⑤回転機械の危険速度は固有振動数と関係している。

 

解答

 

[解くために必要な知識]

平成28年度に類似問題、ほぼ同じ問題、が出ています。(Ⅲ-17

 

では問題を解いていきます。

 

1自由度系の固有振動数f1/2π×√(k/m) [Hz]となります。質量mが増加すると小さくなるためこの記述は正しいです。

 

②共振しているときは角振動数ωが固有角振動数ωnと一致しているとき(ω=ωn)であり、そのときの位相は90°ずれます。よって記述は誤りです。

 

2自由度系では一般に固有値は2個あります。よって記述は正しいです。

 

④共振しているときの振幅倍率は減衰比ζを用いて、1/[2ζ√(1-ζ2)]となります。ここでζ=c/ccrであり減衰係数cに依存します(ccrは臨界減衰係数)。よって記述は正しいです。

 

⑤回転体はある特定の回転数で激しく振動を起こすことがあります。この回転速度を危険速度ωcと言います。

 ωc=(k/m)

固有振動数fは次式の通りです。

 f=1/2π×√(k/m)

 

よって

ωc=2πf

 

となり、危険速度ωcは固有振動数fと関係しています。よって記述は正しいです。  //