· 

技術士一次試験 専門科目 機械部門 R3 Ⅲ-8

令和3年

Ⅲ-8

図に示すように、一辺が40mmの正方形断面を有する長さ2mの鋼製の柱が一端固定・他端自由の状態で軸方向に圧縮力が負荷されている。このときの座屈荷重として最も近いものはどれか。ただし、鋼の縦弾性係数を200GPaとする。

 

 

 

421kN ②211kN ③105kN

53kN  ⑤26kN

 

 

解答

 

解説

[解くために必要な知識]

【オイラーの座屈荷重】

8.1に示すように、オイラーの座屈荷重Pcrは支持条件によって変わります。

 

 

図8.1 オイラーの座屈荷重
図8.1 オイラーの座屈荷重

◆片端固定・他端自由

 Pcr=π2EI/4L2

 

◆片端支持・他端支持

 Pcr=π2EI/L2

 

◆片端固定・他端固定

 Pcr=4π2EI/L2

 

◆片端固定・他端支持

 Pcr=2.046π2EI/L2

 

*これは全て覚えておきましょう。

 

 

【断面性能】

角棒と角パイプの断面係数zと断面二次モーメントIを図8.2に、丸棒と丸パイプの断面係数zと断面二次モーメントIを図8.3に示します。

 

 

図8.2 断面性能その①
図8.2 断面性能その①
図8.3 断面性能その②
図8.3 断面性能その②

◆角棒

 z=bh2/6

 I=bh3/12

 

◆角パイプ

 z=(bh3-b1h13)/6h

 I=(bh3-b1h13)/12

 

◆丸棒

 z=πD3/32

 I=πD4/64

 

◆丸パイプ

 z=(πD4-πd4)/32D

 I=(πD4-πd4)/64

 

*これらは代表的な断面性能です。覚えておきましょう。

 

では問題を解いていきます。

 

問題のパターンは片端固定・他端自由の状態ですので、オイラーの座屈荷重Pcrは次の通りです。

 Pcr=π2EI/4L2

 

ここで問題の柱は正方形断面ですのでb=h=aとし、その断面二次モーメントは次の通りです。

 

 I=I=bh3/12=a4/12=404/12=213,333 mm4

 

 

オイラーの座屈荷重にこれと問題で与えられている数値を代入します。

 

 Pcr=π2×200×103×213,333 /4×20002=26,318.9 N

 

200 GPa=200×103 MPa=200×103 N/mm2

 

26,318.9 N26kN  //