◆自動機設計で失敗しないためにフローチャートを描こう。
◆フローチャートを描くことで得られる3つの効果
フローチャートってシステム屋さんが書くやつちゃうの?
違います。違わないけど。確かにシステム屋さんも書きますけど、メカ屋も自動機を設計するときにはフローチャートを作る必要があります。フローチャートが無ければその自動機がどのように動くのか?誰にもわかりません。その自動機がどのように動くのか?誰が見ても分かるようにフローチャートを作る必要があります。
作成したフローチャートを基にセンサー類、制御プログラムなど制御設計を行います。
【自動機のフローチャートを書くことで得られる効果】
①機械がどのように動くか、動かすか、明確になる。
⇒フローチャートの描き方その1(今回の記事)
②機械が行う作業と人間が行う作業が明確になる。
③あるポイントをおさえて描けば「動作中の機械の状態を明確にする」ことができる。
◆自動化の範囲、機械・ロボットの動きを明確にする。
というわけでフローチャートの書き方を見ていきましょう。
フローチャートを書くために使用される記号の例を図1に示します。他にも記号はありますが、自動機のフローを表すにはこれで充分。というかこんなに知らなくても何とかなります
図1 フローチャートの記号例
ではここで実際のフローチャートの例を見てみましょう。サイクルタイムの記事で出てきた、自動ねじ締め機で確認します。
図2 自動ねじ締め機
この機械の動きをまずは文章で説明します。
・チェーンコンベア上を、ねじ締めを行う対象であるワークが搬送パレットに載って流れてきます。
・ワークがねじ締め機のところまできたらストッパで一時停止します。
・ワーク確認用のセンサー(在荷センサー)がワークを検知したらワークリフトが上がりコンベアと縁切りします。
ワークリフトはシリンダーで動作します。(参考ブログ:電磁弁とシリンダー)
・ワークリフトには位置決めピンが付いていて、ワークの載った搬送パレットの位置決めをします。
(参考ブログ:位置決め要素)
・リフトが完了(シリンダーのオートスイッチで検知)したらストッパが下がります。
ストッパはシリンダーで動作します。
・ねじ締め機が動いてねじ締めを行います。
・ねじ締めが完了したらシリンダーが動作してワークリフトが下がり、パレットが流れていきます。
・パレットが流れていった後にストッパが上がり(シリンダーのオートスイッチで検知)1サイクルが完了です。
ではこれをフローチャートで書いたものを見てみましょう。
シンプルに動作を表すフローチャートであればこの3つ4つの記号で事足ります。しかし機械の設定を変えたり、データを取得したりする場合は手操作入力など、他の記号も使いこなす必要があります。
このあたりを次回、
「フローチャートの描き方その2 自動機の段取りを表現しよう!」
で解説していきます。
前のブログは保全について解説です。
次のブログは自動機設計の第一歩フローチャート作成その1の解説です。
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