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ボルトの押す力は結構大きい!

◆例えばM6は300kgほどの推す力がでる。

◆簡易計算

細かな計算はあとにして、まずはボルトサイズと締め付けトルクと推す力の一覧表を示します。ピッチとはねじを1回転させたときに進む距離のことです。例えばM6を1回転させると1mm進みます。M3なら0.5㎜進みます。余談ですが、衝撃や振動が加わらない場合のねじのかみ合わせは3山以上です(3山の根拠もあるのですが、昔計算した資料がいま手元にないので後日整理してブログにアップします)。このとき使用ボルトがM6であれば、有効タップ深さが3㎜以上、M3であれば1.5㎜以上必要となります。なお、衝撃や振動が加わる場合はナットの高さ以上です。参考までに表中に併記します。

ボルトの締め付けトルクや推力の一覧表です。
表 ボルト諸表一覧

*本表は締め付けトルクに東日製作所様HP資料より標準締付トルクを引用し作成しています。

 

締付トルクは当然締め方によって変わってきますが、ボルトサイズによって適切な軸力設定を行えば計算できます。*1

また締付トルクが分かればねじの力学から推力が計算できます。*2

*1*2の計算方法は後日アップ予定です。

 

 

さてここで、この推力一覧表。いちいち覚えていなくても一瞬で計算できる簡易式があります。

それは呼び径Mを二乗して係数をかけるというもの。係数は表2に記載していますが、覚えるのが面倒でかつラフに知りたいという時であれば係数≒10と覚えておきます。

 

参考までに詳述は後日ですが、推力Qの計算式は次式です。

Q=T/[(P/2π)+μR/cos(α)]

おそらくこれを一瞬で計算できる人はあまりいないかと思います。

しかし、簡易式を使えば推力は簡単に求められます。

・M16未満の場合、M^2×8(kgf)

・M16以上の場合、M^2×9(kgf)

 

M6の場合、

・6^2×8=36×8=288(kgf)

M12の場合

・12^2×8=144×8=1152(kgf)

となります。一覧表を表2に示します。

正式な計算結果①と簡易計算結果②との割合を見ると、M10は0.99ですがそれ以外は全て1.00を超えており、簡易計算結果の方が少し高めに出ていることが分かります。簡易計算ではM10だけがちょっとだけ低いと覚えておきます。

ちなみに私はさらに簡易計算として、×8や×9ではなく×10をしていました。M6であれば6×6=36、360kgfより低いくらいの推力かぁ。例えば調整用の推しボルトを呼び径いくつにしようか?引き込みボルトはいくつにしようか?といったところの当たりをこの簡易式でボルトの推す力がどれくらい出るのかをおおよそ把握していました。

 

ボルト諸表一覧に簡易計算結果を加えました。
表2 ボルト諸表に簡易計算結果を加えたもの

◆推しボルトとしての使用例

位置決めピンを使う場合。

位置決めピンとワークはスキマばめで位置決めしますが、ピンと固定側はしまりばめで固定します。このとき、空気抜き用の穴が無いとピンを完全に奥まで挿入することができません。また、ピンを抜く必要ができたときに空気抜き用の穴から押し出すことができるのですが、せっかくなのでタップにしておくとまっすぐ押し出すことができます。ではこの時のタップはいくつがいいでしょうか?おおよそどれくらいと推す力が欲しいかを検討した結果100kgあれば大丈夫でしょ、となったら3×3×10=90kgf、M3では弱いかな?4×4×10=160kgf、M4あれば大丈夫、5×5×10=250kgf、M5あれば余裕だな。と簡易的に計算できます。

 

位置決めピン構造での押しボルト利用例
図 位置決めピンの構造

 

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